2010年2月24日水曜日

iPS細胞誘導に新手法

米国ハーバード大の日本人を含むグループが成功。肝がん幹細胞に抗がん剤2種を加えると、正常肝細胞になり、さらに、4種の抗がん剤を加えるとiPS細胞になったとのこと。肝がん幹細胞の染色体は正常でなかったのに対し、誘導されたiPS細胞の染色体は正常だったとのこと。染色体の異常の程度にもよるが、一度構造が壊れた染色体が元に戻る等ということは信じがたい現象だ。
それにしても、iPS細胞の経済効果はいまだに疑問であるし、国を挙げて騒ぐほどのことではないと理解するほうが妥当ではないか。もちろん、臓器移植を待ち焦がれている患者にとってはiPS細胞によって治療への道が開かれることは望ましいし、それを否定はしていない。
当研究所では技術の投資価値を判断することに主眼を置いている。近未来的にGDPへの貢献の度合いを見積もることがひとつの指標と考えている。iPS細胞が位置する医療市場は30兆円。しかも閉鎖的な市場で、自由競争もほとんどない世界。iPS細胞への投資はあまり魅力的でないという理解のほうが妥当ではないか。

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