2013年2月24日日曜日

電子産業の陰りが明瞭

スマートフォン、携帯電話、薄型液晶テレビ、ブルーレイ等の市場が早くも飽和していることが、25年3月期の各社決算報告から明瞭である。
これは、半導体の製造、加工、流通業界の決算にも波及している。
また、電子機器の外側のプラスチック材料等化学メーカーにも波及している。

業界からは、国に電子産業復活の支援強化を切望する声が強い。

この業界の従来ビジネスモデルはすでに先進国では成り立たないのであるが、巨大化した企業は方向転換が進まない。

食生活の変化

25年3月期の決算を総合すると外食産業が苦戦している。
一方で、スーパーやコンビニの総菜メーカーは活況である。
外より内での食事が増えていること、共稼ぎで時間が合わない生活スタイルには
総菜サービスが便利であること等、社会背景を追っての結果だ。

この業界、次は食の安全性や栄養価等の情報提供優劣による競争に移っていきそうだ。
レトルト食品業界では、合成調味料を使わない商品のブランド化などじわじわと始まっている。

実感できる建設業界の活況

25年3月の決算報告から、建設業界・不動産業界が活況であることが伝わってくる。
節電型の建物など注目される。
その波及効果は、建設資材、足場、作業用クレーンのレンタル、セメント、保安用具(ヘルメット等)の業界に及ぶ。
今年のトレンドとみてよさそうだ。

2013年2月14日木曜日

TPPに負けないための農業革新

農林水産省のホームページには、AI農業等の新しい農業テクノロジーが紹介されている。
その内容に啓発され、農業の未来を想像してみた。
まず、これからの方向性は2つみえる。
一つは、大規模集約農業だ。これまでの国内農業の特色は小規模集約農業だった。しかし、海外から入ってくる安い作物に対抗するためには、低価格、高品質を実現しなければならない。これまでの国内集約農業は小規模な農地に適したもので、大規模化すると単位面積あたりの収益が落ちてしまう。この問題を解決するのが、人工衛星、GPSなど精密測位技術とロボットを使った無人化技術だ。また、衛生画像解析によって米の出来栄えがわかる。いつどこに栄養や農薬を散布すれば良いか、合理的に対処できる。こうした技術の導入によってTPPも怖くない国内農業が実現すると考えている。
 2つ目は省水型品種改良作物と植物工場だ。出来るだけ資源を使わずに作物を作る技術を確立することで、持続社会に適合した農業になる。これは乾燥地域への輸出産業にもなると思う。70億人時代の地球に必要な技術を早く開発して欲しい。また、日本の水ビジネスと規格を合わせることで、海外メジャーよりも優れたサービスを世界に売っていけると思う。
これらの動きがいつ本格化するのか、楽しみに見守っていきたい。

2013年3月期決算からみえる今年のトレンド

アベノミクスが騒がれ、為替が大幅に円安側に動いた。その後の決算。
当然、国内原油価格が上がり、川上の石油関係は利益が縮小した。
一方で、北米やアジアの景気回復によって農業機械などの市場が活況になった。
アフリカでは、紙おむつや衣類用合成繊維の市場が拡大し、国内企業の利益を押し上げた。
復興がようやく進み、セメント業界、建設業界や不動産業界は今年ホットになるだろう。すでにその兆しは見えている。
中国市場は縮小ぎみだ。日産など中国重点化した企業は方針転換を迫られるかもしれない。
ゲーム業界は勝ち負けが鮮明になった。今年はもっと差がつくだろう。
為替の結果、金融は含み損をずいぶん取り戻した。
広告業界も活況だ。

スマートフォン市場は停滞するだろう。それだけに国内部品メーカーには厳しい年になる。液晶パネルは利益が大きかったが、近く影響を受けるだろう。
家電製品も行き詰まり。それに伴って、原料のアクリロニトリルを生産している化学メーカーも減益だ。

景気の立ち直り時期には不動産、金融、建設、建設資材産業が活発になるが、今年はその年に当たると結論する。


2013年2月3日日曜日

ビッグデータの落とし穴

データとは仮説を支持するものである。
しかし、最先端のビッグデータ研究では、データから法則性を見つけようとしている。
例えば、異常検知技術。
行動データの中に珍しいデータが現れた時にそれを異常とする。
しかし、異常とは、ある原理や法則性があり、それに当てはまらないデータが出た時に異常と定義される。
統計的に重心から外れたとしても、それは異常ではないのである。
民間企業ではサービス偏重のあまり、科学を逸脱した説明のもとにサービスが組み立てられる場合がある。
公的研究機関はビッグデータの科学的に正しい取り扱い方を産業界に示してほしいが、企業と似たような方向に行きかねない危うさも見え隠れしている。

これだけは覚えておこう。ビッグデータから過去の仮説はみえても、未来は見えない。科学的にあり得ない。