2010年3月19日金曜日

日米イノベーションの違い

米国政府はイノベーションの喚起が上手である。日本と米国の研究開発重点領域のつくり方を見ると、日本の場合、未来の潜在市場を想定し、具体的なユーザーが見えないテーマ設定になっているのに対し、米国の場合は新規技術のユーザーは予算を出している米国政府や軍そのものである。米国の強みは政府は予算と市場を同時に提供している点である。
日本はよい技術が開発されても、市場ができる前に資金も途絶え疲弊してしまう。政府の研究投資は市場とあわせて提供すべきではないか。
そのためには、例えば厚生労働省などの規制当局が薬の費用対効果を定義し、必要な技術開発を明示するなどの勇気が必要だ。経済産業省であれば、環境技術として認める性能を設定した上で技術開発投資を行うべきだ。
現状では開発数値目標を研究者自ら設定し、それを必要としていない企業や学者がその適切性の判断をしなければならない。
政府がもし真剣に産業振興を考えるならば、市場をつくって投資すべきではないか。

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