2013年7月20日土曜日

7月20日週報(業界に回復格差)


【国内景気】上向き。

・企業の不動産取引が倍増(1~6月)、危機前上回る。

・国内の荷動き指数、2年ぶりプラスへ(7~9月)。物流の回復。
・設備投資回復。LED含む照明企業のオーデリック、営業最高益に(4~6月)。フロン類の回収・破壊量、過去最高に(12年度)。機械の世代交代も進んでいる。

・消費も好調:高級ホテル予約サービス企業“一休”の4~6月単独、経常益26%増で最高。通期も上振れの公算。夏休みで宿泊需要が増える7月に入ってからも、予約の取扱高は4~6月期の増加ペースを上回る勢いが続いているもよう。8月も都市部の高級ホテルに加えて、地方の高級旅館などの予約が好調。
 
○伸び悩む業界

製紙業界:フエルトの4~6月、営業益5割減 製紙会社向け不振。製紙工場の稼働率が回復せず。
 
○伸び悩みそうな業界

売電事業:今年の後半、ソーラーパネル事業に伸び悩みリスク。

・北海道電は4月、出力2000キロワット以上のメガソーラーについては計画の4分の1しか電力を購入できないと発表した。今回明らかになった地域では502000キロワット規模の出力の事業者でも接続できない。3月末までに接続協議が終わった事業者に大きな影響はない。

・ソーラーパネル設置市場に影。安川電、採算の良い太陽光発電施設向けのパワーコンディショナー(電力変換装置)が好調だった。年間計画の3分の1近くを販売した。しかし、今後は電力会社の能力に依存してくるので、市場の伸びは限定的か、伸びても時間がかかりそう。

 
自動車業界:日本の自動車メーカーの中国進出にリスクあり。
・調査会社フォーイン(名古屋市)は中国の23年の生産台数は12年比7割増の3200万台になると予測しているが、中国の金融政策の影響次第で、採算悪化する可能性あり。
・日産自動車、14年から高級車「インフィニティ」の生産を開始。
・トヨタ、15年からハイブリッド車(HV)の生産を開始。


ハードディスク(HDD)関連業界:市場はPCからタブレットに移行。
・TDKの営業益5割減 4~6月50億円、主力のハードディスク駆動装置(HDD)向け磁気ヘッド低迷。


【北米】上向き

・米経済活動、個人消費など好調 ベージュブック : 米国で住宅着工が増えている。
・東レ、米国で車向け炭素繊維部材を量産 米メーカーに2割出資
・ニフコの4~6月、営業益1割増 北米向け車部品好調
・クボタ、欧米に大型農機の新工場

○省エネ性能が高い日本方式のエアコンの販売に追い風。

米国ではそれぞれの部屋にある空調を一括制御する方式のエアコンが主流。米国では省エネタイプの空調設備を導入した場合に補助金を支給する動き。

日本の大手空調機器メーカーが米国での業務用エアコンの販売に。日本のエアコンは部屋の室温などに応じて空調の設定を細かく制御する「個別空調方式」。日本冷凍空調工業会によると、北米は中国に次ぐ世界2位のエアコン市場で、10年に約1200万台あった北米の需要は12年には約1290万台に増えたもよう。

・富士通ゼネラルは、米国に2カ所あるビル設計業者らのエアコンの設置作業の研修施設を2013年9月までにハワイやカリフォルニア州など5カ所に拡大。
・三菱電機は30億円を投じてジョージア州にある空調部門の物流施設を拡張。
・ダイキン工業は昨年秋に米国式のエアコンを扱うグッドマン・グローバル(テキサス州)を買収した。

【アジア市場】期待

富士フイルム、ミャンマーに販売拠点 年内にも
富士フイルムホールディングスは、年内にもミャンマーに販売拠点を設立する。印刷用素材やデジタルカメラ、医療機器を売り込む。東南アジアで販売拠点を置くのは7カ国目。「新興国では医療機器の需要が増えている」(中嶋社長)といい、デジタルエックス線画像診断装置などを販売する。フィリピンでは16日に、建物面積3500平方メートルの新工場を稼働、カメラやプロジェクター向けの光学レンズを生産する。5万平方メートルの敷地を取得しており、現在の5倍の規模まで工場を拡張する方針。カメラの組み立ても検討している。

【ビジネスモデル】

○発電機販売事業に携帯電話の収益モデルを応用:ソフトバンク
分散型エネルギー生産の普及、ガスから電気、生産の多様化が進む中、ソフトバンクは燃料電池に参入。
10億円投じ米ブルームエナジー(カリフォルニア州)と合弁、ブルームエナジー・ジャパン(東京・港)が事業を手掛ける。
 燃料電池は工場やオフィスの非常用電源だけでなく、コストの安定した自家発電装置の役割が期待されている。 ソフトバンクは20年程度の長期契約を前提に燃料電池の設備費などを利用料に上乗せして顧客の初期投資を不要にする。燃料電池で発電する電力や維持費、ガス使用料、設備費をまとめ、月単位や年単位で利用料として請求する。

民間調査会社の富士経済によると、燃料電池の国内市場規模は2020年に約3500億円と12年比で約8倍に膨れる見通し。富士電機や三菱重工業、東芝グループなども力を入れている。
  
【テクノロジー】


○ヤンマーが小型ディーゼルエンジン スイスの排ガス規制に対応  世界初
 ヤンマーは16日、スイスの排ガス規制に対応した小型産業用ディーゼルエンジンを開発したと発表した。フォークリフトや小型の建設機械に使う1937キロワット(2650馬力)の機種で、スイスの基準を満たしたのは世界初。

○コンピュータに異変あり:PCからタブレットへ。
・半導体 増産投資を再開、東芝・エルピーダ2年ぶり。スマホ好調で市況回復。
・TDKの営業益5割減 4~6月50億円、主力のハードディスク駆動装置(HDD)向け磁気ヘッド低迷。
・米インテル、純利益29%減 4~6月期、PC需要の低迷響く。

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