2012年6月24日日曜日

イノベーションの壁

エネルギーと医療は成長産業といわれる。
エネルギーは化石燃料から新エネルギーへの切り替えるためのインフラ整備が課題だ。
原子力エネルギーの安全性に懐疑の念が蔓延している社会。
期待されるのは、大規模な発電、送電のシステムではなく、ユビキタスな発電ー消費のシステムだ。
ユビキタスなインフラは技術的には可能であるが、事業化となると別の問題を解決しなければならない。
大規模発電・送電を事業にしてきた電力会社の役割がなくなってしまうのだ。大規模な失業は社会の大きな不安要因だ。
技術開発の進展速度が想像よりも速い現代において、エネルギーインフラ整備の技術的圧力と既存企業の摩擦は急速に増して不思議はない。

医療も似た構造をもつ。
インターネットの急速な発達と社会浸透が進み、病院に通わなくても診断・治療ができてしまうⅡ型糖尿病のようなケースでは、インターネット医療の導入試験が行われ始めている。
現在、糖尿病患者の診察は一日がかりだ。行うことは、血液検査、医者の診断、処方薬の受け取りぐらいだが、患者が多く、待ち時間が長い。
血液検査も医者の診断も処方もインターネットで十分という立場の医者も少なくないが、来院数が減ると病院経営に支障がでるため、容認できない。

これらの問題は様々な時代背景のもと強引に解決された場合もあれば、時間という名の解決策に甘んじたケースもあった。

しかし、産業連関が複雑に広がっている中で、上記のようなインフラ改革は硬直してしまう。政治的にも解決できず、経済的にも解決できず、解決に必要な時間は技術開発の速度から大きな隔たりがある。

イノベーションの推進には既存事業者の不安を取り除く方策が欠かせないのだ。

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