2012年1月7日土曜日

新しい価値観の台頭

1月1日の日経新聞から思うこと。

社会の課題に次々挑戦。2009年創業のキックスターター。集めた資金が1億2千万ドル。創業者はヤンシー・ストリックラー(33歳)。出資者は見返りを求めないそうだ。資金は夢を実現するための対価なのか。夢を実現したいが難しい。それを代わりにやるというビジネスが成り立つ時代に入ったということか。1万2千件の夢をかなえたことが実績と信用を築いている。

ノーベル賞経済学者のマイケル・スペンス曰く、世界人口の15%が享受する生活を40年後には75%の人口にいきわたる。ネット社会はシンクロニシティー(共時性)を強める傾向にあるという。

お金に変わるものの台頭。物々交換をスムーズにするために生まれた「お金」。物の価格を安定に保つために考え出された先物取引、通貨の安定のために考え出された為替の取引。やがてそれらは独立し、投資や投機が始まり、金融至上主義が生まれた。国際的に取引される金融商品は世界の金融をがんじがらめにし、共倒れリスクを高めた。現在、そのリスクは現実のものとなり、国の経済破綻を招こうとしている(いや、招いている)。

国の成長とは何なのか。GDPで比較されてきた国の成長。他方、「幸福度」なる指標を主張するブータン。昨年は国王の来日もあり、そんなブータンが脚光を浴びた。金融資産を持つことを幸せと感じた時代から、何かをやってのけることを幸せと感じる時代に移りつつあるということなのか。そうだとすると、国の成長は何で測ればよいのだろうか。

ビジネスプランコンテストに現れる20代の若者たちは、社会貢献を掲げたビジネスを提案する傾向にあると思う。GDPの高成長ふたたびの夢を描く40代、50代とは明らかに価値観が異なる。従来の物差しでみれば現在は低成長時代かもしれない。しかし、まったく違った物差しをもっている20代の若者たちは現在という時代を低成長とはまったく違った言葉で表現するだろう。

そういえば、20代の若者の時代感覚は40代、50代の中堅より、国家間の格差が小さいように思える。シンクロニシティーが強まっているせいか。

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